階段を元に図面を描こう
さあ、今日から新しい展開です。
カラー模型ですが、たんなる建築模型じゃありません。
ディスプレイ模型に分類されるものです。
「えっ、これ模型?」
って思ってもらえたら、うれしいです。
今回の模型は、廃業される八百屋さんが思い出のためにお店を模型にして残しておきたい、というご依頼で作ったものでした。
なので、建物だけでなく、お店のショウケースや、たくさん並んだ商品まで再現するというとても手間のかかる模型になりました。作業は大変でしたが、いつもの住宅模型と違って、趣味でディオラマ模型を作っているような楽しさがあり、完成した模型は自分でもとても満足できる作品になりました。
さて、まずは図面を描かなければなりません。
新築の建物ではないので、図面は存在しません。
クライアント様から送られてきた写真を元に、自分で図面を描くのです。
私は建築図面が描けるほどCADが扱える訳ではないので、手描きです。
送られてきた建物の写真に外階段があり、それを見たとたん頭に浮かんだのが、このウクライナ製の階段のプラモデルでした。
以前趣味で作っていたディオラマ模型に使うために買って、余ったため使わず残しておいたパーツです。まさにピッタリ!これを使おう!
というわけでプラモデルのスケールに合わせて、自動的にこの模型のスケールは1/35になりました。
階段のパーツを元に2階の床の高さを決め、そこから写真を見ながら目分量で建物全体の高さや間口や奥行を決め、立面図を描きます。写真だけでは分らないところもあったので、グーグルマップのストリートビューも参考にしました。
こういう商店の建物は、たいてい間口が狭く奥に細長いものです。
この建物もそういう構造ですが、今回は奥の住居部分は省略して店舗部分だけを再現するので、建物の基本形は、ほぼ正方形の四角い箱状です。なので、図を描くのもそんなに難しくはありませんでした。
さ、とにかくまず階段を作っちゃいましょう。
基本のパーツはプラモデルをそのまま使いますが、キットに含まれていない部分は自作しなければなりません。タミヤのプラ棒を組み合わせて作りますが(白い部分ね)、接着面積が少ないので強度確保のため、接合部に金属線を打っておきます。
接着すると、こうなります。
階段の踏み板はキットのパーツそのままでは左右が長すぎるようなので、少しカットしておきます。
組み上がった階段を塗装します。
写真に写っているサビ止めペイントの赤はちょっと朱色っぽいので、手持ちの塗料から第2次大戦中のドイツ空軍用の赤をセレクトしてみました。
おっ、いい感じ!
これをイチから全部ハンドメイドで作るとなると、めちゃくちゃ大変です。
こんな精度、絶対出せません。
このキットを使えて、よかったあ!
壁面に使われている建材の色を、印刷で再現します。
壁面のクリーム色、基礎のグレーをCADを使って描きます。この程度のシンプルな図形なら私にも描けます。で、これを東西南北4面分印刷して、それぞれ壁面より一回り大きくカットしておきます。
4面分印刷した紙を4ミリのスチレンボードにスプレーのり77で貼ります。右下の山型にカットしてある部分は、店舗につながる省略した住居部分を表しています。
その上から壁面の図面を、スプレーのり55で貼り付け、輪郭線に沿って図面ごとカッターで切り出します。
右下の住居部分につながる面のパーツは、ただの四角い板状なので、わざわざ立面図は描きませんでした。そのため、切り出すためのガイドは正面の立面図で代用し、切り出してから図面を剥がし、右上の正面壁面に貼り直して、改めて正面壁面を切り出しました。
この文章、分りにくい?
ごめんね、文章力貧困で。
切り出した壁面パーツは真ん中でカットして、1階と2階のパーツに分けておきます。
1階の内側、つまり店舗内部はレンガ模様の壁紙が貼ってあったので、これもCADで作って貼っておきます。2階の内部は省略してよいので、2階の内側は何もしません。
壁面パーツが出来たところで、今日はおしまい。
また今度!
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