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  • 執筆者の写真渡辺太至

S社様 遺跡発掘ディオラマ模型の製作 2


たかがヘルメット、されどヘルメット

順番が前後してしまいますが、実はこのディオラマ製作、最初にやった作業はヘルメットの製作でした。クライアントから提供していただいた資料写真を基に作ります。

S社様|遺跡発掘ディオラマ模型|ヘルメット

作業員が被っているヘルメットは普通の黄色いヘルメットではなく、アメリカの労働者がかぶっているような形状のヘルメットです。作業員の人形は1/35の兵隊フィギュアから作るのですが、このヘルメットは自作しなくてはなりません。しかも、8人分。

かなり手間がかかりそうなので、これから始めることにしました。

S社様|遺跡発掘ディオラマ模型|ヘルメット製作

まったくゼロから作るのは大変なので、1/35のアメリカ軍のM1ヘルメットから改造します。

まずはドラゴン社のヘルメットをプラモデルのランナーに接着して、作業用の持ち手とします。

S社様|遺跡発掘ディオラマ模型|ヒートプレス

ヘルメットの頭頂部から側面にかけて段があるので、これを再現します。

0.5ミリのプラバンをローソクで熱して、柔らかくなったところで真上からヘルメットに押し付けます。

この時プラバンの裾が広がってしまうので、丸いテンプレートを使ってなるべく元のヘルメットに密着するようにします。

S社様|遺跡発掘ディオラマ模型|ヘルメットの加工

資料写真をよく見ながら段になるラインをシャープペンシルで書き込み、リューターで削り、小口をヤスリできれいに整えます。

S社様|遺跡発掘ディオラマ模型|ヘルメットの加工

それをヘルメットに接着して、さらに額の部分にもう1枚0.5ミリのプラバンを貼って厚みを増やします。

額の部分は少し角ばるように、また両側面は滑らかにつながるようにヤスリで形を整えます。

S社様|遺跡発掘ディオラマ模型|ヘルメットの加工

エポキシパテをヘルメットの下部に少し盛り付け、爪楊枝でひさしを形作ります。

S社様|遺跡発掘ディオラマ模型|ヘルメット作り直し

ここまで作って人形の顔のあてがうと、どうも少し大きいような気がしました。

同じアメリカ軍のM1ヘルメットでもプラモデルのメーカーによって微妙に大きさや形状が違うものです。このままではどうにもバランスが悪いと感じられたので、面倒ですが思い切って作り直すことにしました。

左がドラゴン社製、右がタミヤ製のヘルメットで作り直したものです。

タミヤ製の方が一回り小さいです。

これを8個も作るのは大変なので、シリコンゴムで型を取って、樹脂で複製します。

S社様|遺跡発掘ディオラマ模型|カゴ

弥生時代ディオラマ模型に使うカゴも複数必要だったので、この時ついでに複製しておきます。

これは元になったプラモデルのパーツです。

S社様|遺跡発掘ディオラマ模型|ヘルメットの複製

歯科医の友人から分けてもらった歯の型取り用のシリコンゴムで型を作り、樹脂を流し込みます。

たったこれだけの量にレジン樹脂を買うのはもったいないので、以前使っていた石材用の接着剤を流し込みました。

S社様|遺跡発掘ディオラマ模型|ヘルメット塗装

両面テープを貼ったスチレンボードに並べ一気に塗装します。

いくつかは白のまま、いくつかはこの上から黄色を塗ります。

クライアントのロゴを再現するため、ガイアノーツ社から出ている「おうちdeデカール」というものを使用しました。

これはプラモデルに付属しているデカールを自分で作るためのキットです。

パソコンで作成した図案を特殊なフィルムにプリンタで印刷して、必要な部分を切り取り、貼りたい場所に押し付けて水を含ませると、図案が転写されます。

S社様|遺跡発掘ディオラマ模型|ヘルメット完成

これで完成です。

本当は側面に緑十字やラインが入っているのですが、あまりに細かいので省略しました。

これだけでも十分雰囲気は出ていると思いますが、いかがでしょう。


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