1/35の地形と人形の作り方
クライアントの事情でこれまでご紹介できませんでしたが、今回許可をいただいたので、昨年製作した弥生時代ディオラマ模型をご紹介します。
この模型は、弥生時代の集落と、それを調査している現代の発掘現場からなる二つで一組のディオラマ模型です。それぞれのサイズは60センチ×80センチで、同じ地形の上に弥生時代と現代を対比させて表現するものです。弥生時代の竪穴式住居の構造は、本やネットでも調べられますが、実物を見るのが一番だと思い、はりきって静岡の登呂遺跡まで出かけ取材してきました。
まずは土台作りです。
5ミリのスチレンボードで60センチ×80センチの箱を作ります。
完成後の変形を防ぐため、20センチおきに補強を入れておきます。
いただいた地形図を基に、2ミリのスチレンペーパーを等高線のラインでカットして積み上げていきます。これは田んぼの畔です。
これを二組作ります。
一つは弥生時代、一つは現代です。
地形を作るため、スチレンペーパーの芯に樹脂粘土を盛り付けていきます。
結構力が要りますし、大きなものを二つ作らねばならないので、指が痛くなってきます。
これで基本的な地形が完成しました。
さあ、ここからが私の得意分野です。
クライアントからの指示で、弥生時代、現代ともに8体ずつ人形を登場させねばなりません。
私は趣味で1/35の戦車や兵士の模型を作っているので、兵士のフィギュアは山のようにストックがあります。
稲刈りをする弥生人を、ドイツ軍兵士から作ることにします。
使ったのはドラゴン社のドイツ砲兵。
作ろうとするポーズに近いものを選んで、上半身と両足を接着して体の芯とします。
次にリューターで制服のモールドを削り落とし、ネットで見つけた人体図を基に裸の人体を削りだしていきます。
この上から服を着せるので、仕上げは荒くてもかまいませんが、腕と脚はむき出しになるのでていねいに仕上げます。
ホーネット社のアジア人のスペアヘッドをたまたま持っていたので、ちょうどいいのでヘッドを交換することにしました。
何もないところからリアルなフィギュアを作るのはとても難しいのですが、基になるフィギュアがあれば作業はかなり楽になります。